最新ドローン規制その1(改正航空法、議員立法)


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ドローン規制(改正航空法)は9月4日、国会で成立しました(9/4更新)。以下最新のドローン規制を整理してみます。
 

1 最新ドローン規制

 
A 改正航空法(航空法の一部を改正する法律)
 
(1) 無人航空機の定義

飛行機、回転翼航空機等であって人が乗ることができないもののうち、遠隔操作又は自動操縦により飛行させることができるもの(超軽量のものなどを除く)(改正航空法2条22項)。
 
(2) 飛行禁止空域(改正航空法132条)

①原則

以下の空域においては、国土交通大臣の許可を受けなければ、無人航空機を飛行させてはならない。

Ⅰ 空港周辺など、航空機の航行の安全に影響を及ぼすおそれがある空域(下図A、B)。

Ⅱ 人または家屋の密集している地域の上空(下図C)。
 
150829-1
(国土交通省航空局「航空法の一部を改正する法律案の概要」より)
 
②例外

国土交通大臣の許可があれば適用されない。

※運用方針:安全確保の体制をとった事業者等に対し、飛行を許可(国土交通省航空局)。
 
(3) 飛行方法規制(改正航空法132条の2)

①原則

Ⅰ 時間帯:日出から日没までの間。

Ⅱ 目視による監視:無人航空機・その周囲の状況を目視により常時監視する。

Ⅲ 安全距離:人または物件との間に距離を保って飛行させる。

Ⅳ~Ⅵ その他、多数の者の集合する催しが行われている場所の上空を避ける。人に危害を与え、または他の物件を損傷するおそれがある物件を輸送しない。危害・損傷を生じるおそれがないものを除き、無人航空機から物件を投下しない。
 
②例外

国土交通大臣の承認があれば適用されない。

※運用方針:安全確保の体制をとる等の場合、より柔軟な飛行を承認(国土交通省航空局)。
 
(4) 公共機関等による捜索・救助等

事故や災害時の公共機関等による捜索・救助等の場合は、(2) (3) を適用除外とする。
 
(5) 罰則:飛行禁止空域、飛行方法の違反(改正航空法157条の4)

罰金50万円以下
 
 
B ドローン規制法(国会議事堂、内閣総理大臣官邸その他の国の重要な施設等及び外国公館等の周辺地域の上空における小型無人機の飛行の禁止に関する法律)
 
(1) 小型無人機の定義

飛行機、回転翼航空機等であって人が乗ることができないもののうち、遠隔操作又は自動操縦により飛行させることができるもの(ドローン規制法2条 航空法改正法の無人航空機とほぼ同じ)。
 
(2) 飛行禁止エリア

国会議事堂、首相官邸、皇居・御所その他の国の重要な施設等及び外国公館等(ドローン規制法2条)からおおむね300メートルの範囲内(ドローン規制法3~5条)。
 
(3) 飛行禁止ルール

①原則:飛行禁止。

②例外:対象施設の管理者またはその同意を得た者等が、あらかじめ都道府県公安委員会に「通報」して行う場合に限る(ドローン規制法7条)。
 
(4) 措置・罰則

①警察官の措置:退去命令、やむを得ない限度の飛行妨害・破損(ドローン規制法8条)。

②罰則:懲役1年以下または罰金50万円以下(ドローン規制法9条)。
 
 
 

2 各規正の例外

 
次に各規制の例外について考察します。
 
A 改正航空法

(2) 飛行禁止空域(改正航空法132条)

①原則

以下の空域においては、国土交通大臣の許可を受けなければ、無人航空機を飛行させてはならない。

Ⅰ 空港周辺など、航空機の航行の安全に影響を及ぼすおそれがある空域。

Ⅱ 人または家屋の密集している地域の上空。
 
②例外

国土交通大臣の許可があれば適用されない。

※運用方針:安全確保の体制をとった事業者等に対し、飛行を許可(国土交通省航空局)。

考察1

この例外は「安全確保の体制をとった事業者等に対し、飛行を許可(国土交通省航空局)」するもので、極めて厳しいでしょう。
そもそも空港周辺など航空機の航行の安全に影響を及ぼすおそれがある空域や、人または家屋の密集している地域の上空を飛行することは極めて危険です。これを認めるわけですから、その許可要件は極めて厳しいと考えざるを得ません。
アマチュア飛行に許可されることはなく、プロ(=事業者)飛行の場合もセコムの警備ドローンや、老朽化した道路の点検など限られた事案に対してのみ許可されると思います。

(3) 飛行方法規制(改正航空法132条の2)

①原則

Ⅰ 時間帯:日出から日没までの間。

Ⅱ 目視による監視:無人航空機・その周囲の状況を目視により常時監視する。

Ⅲ 安全距離:人または物件との間に距離を保って飛行させる。

Ⅳ~Ⅵ その他、多数の者の集合する催しが行われている場所の上空を避ける。人に危害を与え、または他の物件を損傷するおそれがある物件を輸送しない。危害・損傷を生じるおそれがないものを除き、無人航空機から物件を投下しない。
 
②例外

国土交通大臣の承認があれば適用されない。

※運用方針:安全確保の体制をとる等の場合、より柔軟な飛行を承認(国土交通省航空局)。

考察2

この例外は「安全確保の体制をとる等の場合、より柔軟な飛行を承認(国土交通省航空局)」するもので、前述の「許可」に比べて柔軟に承認されるようです。
例えば離島に物資を届ける、広範囲の農地を検査するなど社会的有用性が認められる場合は、プロ(=事業者)飛行等に対して、目視範囲外の飛行も承認されると思います。
ただし遊び目的のアマチュア飛行に例外を認める必要はないので、一般的なアマチュア飛行に対して承認されることはほぼないでしょう。

B ドローン規制法

(2) 飛行禁止エリア

国会議事堂、首相官邸、皇居・御所その他の国の重要な施設等及び外国公館等(ドローン規制法2条)からおおむね300メートルの範囲内(ドローン規制法3~5条)。
 
(3) 飛行禁止ルール

①原則:飛行禁止。

②例外:対象施設の管理者またはその同意を得た者等が、あらかじめ都道府県公安委員会に「通報」して行う場合に限る(ドローン規制法7条)。

考察3

この例外は「対象施設の管理者またはその同意を得た者等」に限られるので、当該施設の空撮を頼まれたプロ(=事業者)飛行等のみ該当するでしょう。したがって一般的にプロ・アマを問わず例外はないととらえるべきです。
 
 

3 各規正の例外と免許制・事業者登録制

 
では下記例外の許可承認の具体的な運用方法はどのようになるでしょうか。
 
改正航空法 (2) 飛行禁止空域(改正航空法132条)
①原則
以下の空域においては、国土交通大臣の許可を受けなければ、無人航空機を飛行させてはならない。
Ⅰ 空港周辺など、航空機の航行の安全に影響を及ぼすおそれがある空域。
Ⅱ 人または家屋の密集している地域の上空。
②例外
国土交通大臣の許可があれば適用されない。
※運用方針:安全確保の体制をとった事業者等に対し、飛行を許可(国土交通省航空局)。

改正航空法 (3) 飛行方法規制(改正航空法132条の2)
①原則
Ⅰ 時間帯:日出から日没までの間。
Ⅱ 目視による監視:無人航空機・その周囲の状況を目視により常時監視する。
Ⅲ 安全距離:人または物件との間に距離を保って飛行させる。
Ⅳ~Ⅵ その他、多数の者の集合する催しが行われている場所の上空を避ける。人に危害を与え、または他の物件を損傷するおそれがある物件を輸送しない。危害・損傷を生じるおそれがないものを除き、無人航空機から物件を投下しない。
②例外
国土交通大臣の承認があれば適用されない。
※運用方針:安全確保の体制をとる等の場合、より柔軟な飛行を承認(国土交通省航空局)。
 

ポイントは許可要件の「安全確保の体制をとった事業者等」、承認要件の「安全確保の体制をとる等の場合」を国土交通大臣(の下部機関)がどのように判断するかです。
 
さらに絞ると申請者の「安全確保の体制」の有無をどのように判断するかです。これをいちいち現場の国土交通大臣の下部機関が判断するなど非現実的です。そこで「安全確保の体制」を「免許」の有無および「事業者登録」の有無で機械的に判断することが予想されます。
 
そして既に「免許制」および「事業者登録制」は、民間で最大の一般社団法人で国との結びつきも強い日本UAS産業振興協議会(JUIDA)安全ガイドラインに記載されています。
 
これらを勘案すると近い将来、全国統一的な「ドローン免許制」(実技・学科)および「ドローン事業者登録制」が実施されるでしょう。つまり安全管理体制を整備して「事業者登録」を行った事業者が、「免許」を有する操縦者に操縦させる場合に、国土交通大臣の許可承認が認められる方向となるでしょう。
 
 

4 今後

 
(1) 一応名誉回復のために、2014年7月5日以来の私の下記ドローン規制予想はほぼ当たったことを記載します。
 
2014年7月5日「FAA が FPV Flights の違法を発表」
2014年7月11日「プロ試験対策講座の準備」
2014年12月10日「日本のマルチコプター規制はまだ先、(追記)ではない」
2015年1月7日「航空法改正 空撮の今後」
2015年2月16日「FAA 無人機プロ飛行の規制発表」
2015年5月8日「ドローンの近未来」
2015年6月17日「法規制予測」
 
(2) 第3回ドローン免許学科試験 対策講座
 
本年10月4日から「第3回ドローン免許学科試験 対策講座」を開講します。本講座は、昨年来ご好評いただいている「ドローン免許学科試験 対策講座」の「第3回目」で、ドローン免許学科試験の対策講座です。

内容は、国土交通省の航空従事者技能証明試験(自家用飛行機・ヘリ操縦士免許)をベースとして、無人航空機に係る必須知識(実技マスター方法・知識を含む)を約50パターンに絞り、その解答解説を行うものです。
 
「第3回ドローン免許学科試験 対策講座」の詳細はこちらです