最新ドローン規制その3(改正航空法施行規則と実例)


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最新ドローン規制その1最新ドローン規制その2に続き、今回は12月10日に施行される改正航空法施行規則(および改正航空法)を整理し、実例を考察します。
 
まず改正航空法および改正航空法施行規則の内容については、国土交通省の「無人航空機(ドローン・ラジコン機等)の飛行ルール」に全ての情報がアップされていますので、ご参照ください。
 

1. 改正航空法および改正航空法施行規則 本年12月10日施行

 
以下改正航空法を黒色または青色、改正航空法施行規則を赤色で記載します。

(1) 無人航空機の定義

飛行機、回転翼航空機等であって人が乗ることができないもののうち、遠隔操作又は自動操縦により飛行させることができるもの(超軽量のものなどを除く)(改正航空法2条22項)。

超軽量=200g未満の重量(機体本体の重量とバッテリーの重量の合計)のものを除く(改正航空法施行規則5条の2、以下改正規則といいます)
 
(2) 飛行禁止空域(改正航空法132条)

①原則

以下の空域においては、国土交通大臣の許可を受けなければ、無人航空機を飛行させてはならない。

Ⅰ 空港周辺など、航空機の航行の安全に影響を及ぼすおそれがある空域(下図A、B)。

A 空港等の周辺に設定されている進入表面、転移表面若しくは水平表面又は国土交通大臣が指定した延長進入表面、円錐表面若しくは外側水平表面の上空の空域(改正規則236条1項)

B 地表又は水面から150m以上の高さの空域(改正規則236条2項)

Ⅱ 人または家屋の密集している地域の上空(下図C)。

C 平成22年の国勢調査の結果による人口集中地区の上空(改正規則236条の2、国交省公示)
 
150829-1
(国土交通省航空局「航空法の一部を改正する法律案の概要」より)
 
②例外

国土交通大臣の許可があれば適用されない。

※運用方針:安全確保の体制をとった事業者等に対し、飛行を許可(国土交通省航空局)。

無人航空機の飛行に関する許可・承認の審査要領(概要)(改正規則236条の3、国交省)
○申請方法
・飛行開始予定日の10開庁日前までに申請書の提出を求める。
・同一の申請者が一定期間内に反復して飛行を行う場合又は異なる複数の場所で飛行を行う場合の申請は、包括して申請することを可能とする。
・飛行の委託を行っている者が受託先の飛行をまとめて申請する場合や、複数の者が行う飛行をまとめて申請する場合などに、代表者による代行申請を可能とする。
・許可等の期間は原則として3ヶ月以内とするが、申請内容に変更を生ずることなく、継続的に無人航空機を飛行させることが明らかな場合には1年を限度として許可等を行う。
○許可・承認の基準
・許可等の審査においては、①機体の機能及び性能、②無人航空機を飛行させる者の飛行経歴・知識・技能、③安全を確保するための体制の3つの観点から、『基本的な基準』と『飛行形態に応じた追加基準』を定め、それらへの適合性について判断する。
・また、様々な飛行形態が想定されること、今後の技術開発の進展による安全性向上が見込まれること等から、上記3つの観点から総合的に判断し、航空機の航行の安全並びに地上及び水上の人及び物件の安全が損なわれるおそれがないと認められる場合については、柔軟に対応することとする。
・原則として、第三者の上空で無人航空機を飛行させないことを求めることとし、人又は家屋の密集している地域の上空や催し場所の上空において飛行させる場合であっても、第三者の上空で無人航空機を飛行させないことを求める。
・やむを得ず、第三者の上空で飛行させる場合には、追加的な安全対策を求める。
・安全確保のため、無人航空機を飛行させる者を補助する補助者の配置を求める。
・無人航空機の安全な飛行を行う体制が維持されるよう、飛行マニュアルの作成を求める。

 
(3) 飛行方法規制(改正航空法132条の2)

①原則

Ⅰ 時間帯:日出から日没までの間。

Ⅱ 目視による監視:無人航空機・その周囲の状況を目視により常時監視する。

Ⅲ 安全距離:人または物件との間に距離を保って飛行させる。

・上記距離は30メートル以上とする(改正規則236条の4)。

Ⅳ 催し場所での飛行禁止:多数の者の集合する催しが行われている場所の上空を避ける。

Ⅴ 危険物輸送の禁止:人に危害を与え、または他の物件を損傷するおそれがある物件を輸送しない。

・上記物件は火薬類、高圧ガス、凶器など、航空機の場合(規則194条1項)と同様とする(改正規則236条の5)。

Ⅵ 物件投下の禁止:危害・損傷を生じるおそれがないものを除き、無人航空機から物件を投下しない。
 
②例外

国土交通大臣の承認があれば適用されない。

※運用方針:安全確保の体制をとる等の場合、より柔軟な飛行を承認(国土交通省航空局)。

無人航空機の飛行に関する許可・承認の審査要領(概要)(改正規則236条の6、国交省)
許可と同様。

 
(4) 公共機関等による捜索・救助等

事故や災害時の公共機関等による捜索・救助等の場合は、(2) (3) を適用除外とする。

・上記公共機関等による捜索・救助等の場合とは、国、地方公共団体及びこれらの者の依頼を受けた者が、緊急性があるものとして捜索又は救助の目的で無人航空機を飛行させる場合をいう。
 
(5) 罰則:飛行禁止空域、飛行方法の違反(改正航空法157条の4)

罰金50万円以下

 

2. 改正航空法および改正規則に係る実例

 
(1) 地形測量
 
人口集中地区を除き、原則として国土交通大臣の承認は不要です。ただし目視範囲外の飛行は承認を要します。
 
(2) 鉄塔等単一所有者の建造物点検
 
建造物に30m未満の距離で点検を行うことは、人または物件との間に30メートル以上の距離を保って飛行させるというルールに反しないかが問題となります。

しかしこのルールの「人または物件」は第三者または第三者の物件を意味し、所有者等の管理する物件を含みません(無人航空機に関するQ&A P.13ご参照)。したがって所有者等の承諾の下に鉄塔等単一所有者の建造物の点検を行う場合、国土交通大臣の承認は不要です。
 
(3) マンション等複数所有者の建造物点検
 
逆にマンション等複数所有者の建造物の点検は、30m未満となるマンション区分所有者全員の承諾を要します。これは相当に難しいと思います。したがって国土交通大臣の承認(人口集中地区は許可)を要することになるでしょう。
 
(4) 橋梁等点検
 
橋梁等の点検は車や人の通行を止めない限り、30m未満となる車や人の同意を得ることは不可能です。したがって国土交通大臣の承認(人口集中地区は許可)を要することになるでしょう。
 
(5) 農薬散布
 
水や農薬等の液体や霧状のものの散布は物件投下に該当します(無人航空機に関するQ&A P.16ご参照)。したがって常に国土交通大臣の承認を要することになるでしょう。また目視範囲外の飛行を行う場合はこの点でも承認を要します。一番影響を受けますね。
 
 
以上思いつくままに考察しましたが、これ以外にも疑問等がありましたらメールでお問合せください。