(写真はGETTY IMAGESから)
[WIRED]によると、ヒトの脳を模し、人工知能の学習能力を形成する基盤となるニューラルネットワークの欠点を補い、自己学習能力をさらに高める「カプセルネットワーク」を、その分野の第一人者でグーグルの研究員でもあるジェフ・ヒントンが発表しました。
コンピューターヴィジョンを進化させる新たな概念
2017年10月下旬、ヒントンは2つの論文を発表しました。ヒントンの新たな研究は「カプセルネットワーク」と呼ばれます。ニューラルネットワークを発展させたもので、画像や動画を通じて機械に世界を理解させやすくすることを目指しています。
発表した論文のうちの1つでは、カプセルネットワークの正確さについて、ニューラルネットワークの最高時のパフォーマンスに匹敵しました。ソフトウェアが手書きの数字をどれだけ正確に認識できるかという基準テストを行って得られた結果だそうです
2つ目の論文ではカプセルネットワークの誤答率について、ニューラルネットワークのそれが最も低かったときのほぼ半分にまで減少したと発表しました。トラックやクルマといったおもちゃを異なる角度からソフトウェアに認識させる課題を通じて結果を得ました。
仮想ニューロンを詰めた“カプセル”で自己学習を促進
カプセルネットワークの目的は、いまある機械学習システムの弱点を克服することにあります。
“カプセル”とは、むき出しの仮想ニューロンの小さな集合体で、猫の鼻や耳のような、ある物体の異なるパーツと、空間におけるそれらの相対的な位置を探知するよう設計されています。
多数のカプセルによるネットワークは、新たな場面について、「実はすでにある場面を違う視点から見たものだ」と理解し、その気づきを利用します。
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