「今月の最も愚かな特許」にAI・ディープラーニングの足を引っ張りかねない特許が選ばれる



 

今月の最も愚かな特許

[Gigazine]Gigazineによると、電子フロンティア財団が毎月発表している「Stupid Patent of the Month」(今月の最も愚かな特許)の2017年9月版として、アメリカのハイテク食品会社が取得した特許が選ばれました。財団ではこの特許を「AIや機械学習のイノベーションを阻害する可能性がある」と指摘しています。

「現在の特許システムはソフトウェアの世界に即していない」とかねてより異を唱えてきた電子フロンティア財団は、数々の特許がパテントトローリング、またの名を「特許ゴロ」の原動力になっていること、そしてその結果、多くの技術が十分に活用されない事態を生んでいると指摘しています。

そんな財団が2017年9月度の「最も愚かな特許」に認定したのは、ハイテク食品メーカーHampton Creekが取得した「Discovery systems for identifying entities that have a target property」(目的とする特性を持つエンティティーを特定する発見システム」と呼ばれるもの。
 

特許に含まれる範囲が広すぎる

この技術は、機械学習を用いて食物に含まれる含有物を発見するというものなのですが、特許に含まれる範囲が広すぎるために、ほかの技術がこの特許に抵触してしまう可能性が高いと電子フロンティア財団のDaniel Nazer弁護士は指摘しています。特許技術の内容を記すクレーム部分には、すでに存在している機械学習アルゴリズムと同様の技術が記載されていることから、この特許がカバーする範囲が広すぎるというのが、その原因で、Nazer氏は「我々の見解では、この特許文書に書かれている内容は『AI技術の手引き』という教科書の目次のようなものだ」と語り、あたかも恣意的な意図をもって申請された特許であることをうかがわせるコメントを行っています。

Nazer氏は一方、Hampton Creekの特許は「今月の最も愚かな特許」に選ばれたほかの特許に比べるとそれほど悪くはないとしていますが、今回この特許を選んだ理由については「機械学習におけるイノベーションに問題をもたらす可能性があるため」としています。アメリカでは「投票数を数えるコンピューター」や「カロリー計算をするコンピューター」にも特許が与えられている状況があるといい、今後も本来は認められるべきではない特許が存在してしまうことに危機感を抱いている模様。

Hampton Creekの広報担当者はコメントを拒否しているとのこと。9月初頭に発表されたプレスリリースの中では、この特許は同社が持つ他に類を見ないロボティクス技術やプロプライエタリーな植物データベース、人工知能、予測モデルなどを「Blackbird」と呼ばれるシステムに統合するものであると記されています。
 
出典:Gigazine